小さな農家の小さな夢
「米つくりなんて俺の代でやめよう!」
私は5代続く零細な農家の後継ぎでした。サラリーマンをしながら親父と一緒に農業をやってきました。しかし定年を前にリストラされ、途方にくれておりました。そうだネットショップをやろう。
しかしパソコンはやっとワード・エクセルができる程度でこれじゃだめだということでパソコン教室に通い、西も東もわからないままネットショップを立ち上げました。
随分と赤字が続き苦労しましたがだんだんと口コミで売れ始めて来ました。
しかし米作りは赤字でネットショップの利益を全てつぎ込む結果でした。
米価は毎年下がり続け米作りはもうやめようと心底から思いました。
「小祝政明」
2013年11月米問屋から誘われた勉強会に出て衝撃を受けました。
その人の名は小祝政明。
今まで農協の営農指導を疑うことなく実践してきた者にとって小祝さんのBLOF理論は正に米作りを科学する実に革新的なものでした。
この人の考え方で一から米作りをやってみよう。
そう決意しました。
幸いというか私は農作業にさほど一生懸命ではなく凝り固まった技術・考え方はありませんでした。
その分まだまだ未熟な部分があり、村の百姓仲間、田巻勇作・佐藤春夫と私の三人で米作りの研究会を作りました。
「おかずのいらないコシヒカリ」
食べた人がみんな笑顔になるそんな「おかずのいらないコシヒカリ」を栽培するのが私の夢です。
酒蔵が純米・吟醸・大吟醸と作るようにコシヒカリを栽培
新潟県には酒蔵が90程あります。
新潟県の生産石数を全部足しても日本一のG社には及ばないそうです。いずれも小さくて個性的な酒を醸す蔵ばかりです。
「市場のニーズとウォンツ」
昔は酒蔵の経営者と杜氏は別でしたが、現在小さな蔵では若い経営者が自らの感性で個性的な酒を醸造するケースが増えてきています。
若い消費者のニーズや時代のウォンツを的確に捉え実に個性にあふれた日本酒が出てきています。
「米で酒蔵の様に作り分ける」
私は米で個性あふれたコシヒカリができないかと考えました。
うまい米を作る多くの農家にあいました。
米をもらってきて味見を行いました。旨い米を作る農家にはその作り方のキモを教えてもらいました。
実に様々な栽培方法があるもんだなと思いました。